飲食店の集客ができない原因はほぼ3つ。10分の自己診断で特定する
集客ができない原因は「見つからない」「比較で負ける」「導線が切れている」の3つに絞れます。スマホだけ10分でできる自己診断の手順とタイプ別の直し方を、浅草69店の現場データつきで解説します。

01集客できない原因は「見つからない・比較負け・導線切れ」の3つ
飲食店の集客の相談を受けていて感じるのは、原因は店の数だけあるようでいて、実際にはほぼ3つに集約されるということです。
| タイプ | 症状 | 最初の一手 |
|---|---|---|
| ① 見つけてもらえていない | 「地名+業態」で検索しても自分の店が出てこない | Googleビジネスプロフィールの整備 |
| ② 比較で負けている | 検索には出るのに、隣の店が選ばれる | 写真の1枚目・口コミ返信・メニュー掲載 |
| ③ 導線が切れている | 興味は持たれているのに、予約や来店につながらない | 電話・予約ボタン・リンクの総点検 |
タイプが違えば、やるべきことはまったく違います。①の店がインスタを頑張っても出てきませんし、③の店が広告を出すと「興味を持った人が途中で脱落する」のを加速させるだけです。
ポイント: 3つを同時に直す必要はありません。いちばん詰まっている場所を特定して、そこだけ直す。順番さえ間違えなければ、お金はほとんどかかりません。
02診断の前に:「客数が減った」と「新規が来ない」は別の問題
この診断は「新規のお客さんが来ない・増えない」店のためのものです。
「常連さんは来ているのに、以前より客数が減った」という場合は、原因の探し方が変わります。まず売上ではなく客数・組数の推移を月別に見て、いつから減ったのかを特定するのが先です。この記事の診断はその後で役に立ちます。
一人でお店を回していて、集客のためにまとまった時間なんて取れない。そういう方を想定して、以下の診断はスマホだけ・合計10分で終わるように組んであります。
0310分でできる集客セルフ診断(スマホだけでOK)
順番に3ステップ。仕込みの合間で終わる分量です。
ステップ1:シークレットモードで「地名+業態」を検索する(3分)
普段のブラウザで検索すると、Googleがあなたの検索履歴に合わせた結果を出すため、正しい診断になりません。iPhoneならSafari右下のタブボタン→「プライベート」、AndroidならChromeのメニュー→「新しいシークレットタブ」を開いてください。
そこで、お客さんが打ちそうな言葉で検索します。「浅草 居酒屋」「蔵前 ランチ」のような「地名+業態」です。
判断基準は2つ。
— 地図の枠(上位3件)に入っているか — 地図の「さらに表示」を開いて、20位以内にいるか
20位以内に出てこなければ、あなたの店は**タイプ①「見つけてもらえていない」**です。ステップ2に進む前に、この時点でほぼ確定と考えて構いません。
ステップ2:自分の店を「初めての客の目」で見る(4分)
検索に出てきた場合は、次に自分の店のプロフィールをタップして、初めて見る人のつもりで眺めます。あわせて、同じ検索で上に出ていた競合を2店開いて、見比べてください。
見るのは4点だけです。
— 写真の1枚目は、今のお店を正しく表しているか(暗い外観や何年も前の料理写真になっていないか) — 営業時間・定休日は今と合っているか — メニューか価格帯が載っているか — 直近の口コミに返信しているか
競合2店と比べて負けている項目が2つ以上あれば、**タイプ②「比較で負けている」**です。お客さんは検索結果を「比較の場」として使います。表示された時点で勝負は終わっておらず、むしろそこから始まります。
ステップ3:予約・来店までの道を実際にたどる(3分)
最後に、お客さんになったつもりで来店までの操作を実際にやってみます。
— 電話番号をタップして、営業時間外の案内はどうなるか — 予約ボタンやリンク先は生きているか(リンク切れ・古いページになっていないか) — InstagramをやっているならプロフィールからGoogleマップや予約手段に飛べるか
1か所でも詰まったら、**タイプ③「導線が切れている」**です。興味を持った人が最後の1タップで脱落するのは、飲食店の集客でいちばんもったいない負け方です。
読みながら「うちの場合は?」と思ったら
LINEで相談する(無料) →04タイプ別の直し方:順番を間違えない
タイプ①の店:情報の欠けを埋める(費用ゼロ)
Googleビジネスプロフィールのオーナー確認を済ませ、カテゴリ・営業時間・写真・属性を埋めます。全部自分でできて、費用はかかりません。詳しい手順はGoogleの公式ヘルプが一次情報です(この記事の末尾にリンクを置いています)。
注意点をひとつ。反映には数日から数週間かかることがあります。②や③と違って即効性がないので、タイプ①だと分かったら今日始めるのが正解です。
タイプ②の店:隣の店に勝っている点を「見える場所」に置く
直すのは3つで足ります。写真の1枚目を「いちばん注文される料理」か「入りやすさが伝わる外観」に差し替える。メニューと価格帯を載せる。直近の口コミに短くていいので返信する。
味やサービスで勝っていても、プロフィール上で見えなければ比較では存在しないのと同じです。逆に言えば、ここは1時間で形になります。
タイプ③の店:詰まりを1か所だけ直す
ステップ3で見つかった詰まりを直します。リンク切れの修正、電話に出られない時間帯があるなら予約手段の追加、SNSプロフィールへの地図リンク設置。どれも作業としては小さいものです。
ポイント: ②と③は今日中に直せます。①だけは時間がかかるので最優先で着手する。この時間差を知らずに「全部まとめて業者に依頼」すると、すぐ終わる作業にも月額費用を払い続けることになります。
05浅草の飲食店69店を調べて分かった、実際のつまずきどころ
私は営業活動を兼ねて、浅草の飲食店69店の情報発信をひととおり調べたことがあります。そこで印象に残った数字を2つ挙げます。
メールアドレスを公開していたのは、69店中わずか2店。そして老舗を中心に7店では、ホームページが「保護されていない通信」という警告表示(SSL証明書切れ)のまま放置されていました。
責める話ではありません。ホームページが壊れていても、常連さんは教えてくれないのです。誰にも指摘されないまま、初めてのお客さんだけが静かに離脱していく。外から自分の店がどう見えているかは、意識して見にいかない限り分からない——これが現場を回って得た実感で、この記事の診断を「初めての客の目でたどる」形にしている理由です。
06今日できること(合計15分)
- シークレットモードで「地名+業態」を検索する(3分)
- 自分の店と競合2店のプロフィールを見比べる(4分)
- 電話・予約・リンクを実際にたどる(3分)
- いちばん詰まっていた場所を1つだけ決めて、直し始める(5分)
4つ目が肝心です。診断して満足すると、翌日には忘れます。
07集客セルフ診断チェックリスト(保存用)
- シークレットモードで「地名+業態」を検索した
- 地図の上位3件・一覧20位以内に自店が入っているか確認した
- 写真の1枚目が「今の店」を正しく表しているか見た
- 営業時間・定休日が最新か確認した
- メニューまたは価格帯がマップに載っているか見た
- 直近の口コミに返信しているか確認した
- 電話番号・予約ボタンが正しく動くか実際にタップした
- SNSプロフィールから地図・予約に飛べるか試した
- いちばん詰まっていた場所を1つ決めた
08よくある質問
SNSを頑張れば集客できますか?
タイプ①や②が放置のままSNSだけ頑張るのは、順番が逆です。SNSで興味を持った人は、来店前にほぼ必ず店名で検索します。そこで情報が古かったり出てこなかったりすれば、SNSの努力ごと無駄になります。土台を直してからのSNSは効きます。
MEO業者に月3万円で頼むべきですか?
この記事の診断と、タイプ①〜③の基本的な直しは自分でできます。私は「まず自分でやって、それでも順位が動かないときに初めて外注を検討する」のが正しい順番だと考えています。何も直っていない状態で契約すると、自分で5分でできる営業時間の更新にも月額を払うことになります。
チラシはまだ効果がありますか?
商圏と客層によります。近所の年配のお客さんが中心の店なら、今でも効くことがあります。ただし、チラシで興味を持った人も結局は検索します。マップの情報が壊れた状態でチラシをまくのは、穴の空いたバケツに水を注ぐのと同じなので、順番としては診断と修正が先です。

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北原龍一|お店の相談室
浅草で訪日外国人と日本の飲食店をつなぐ Tokyo Local Food を運営。飲食店オーナーの 「後回しになっているお店の外の仕事」を月額で一緒に片づける「お店の相談室」を提供しています。
